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これからは経済学と心理学

(6)これからは経済学と心理学

 オトコは経済学、オンナは心理学。

 昔は、「男は度胸、女は愛嬌」でしたが、21世紀はこれかなと思います。もちろん、男女を入れ替えても何ら問題はありません。どんな仕事や専門分野でも、この経済学と心理学は応用できるので、プラスアルファの人材を目指せるのではないでしょうか。
 ただ、経済学には数学が必要になりますから、女性はちょっと苦手かもと思っただけで、他意はありませんので念のため。

 まず、経済学ですけど、学生時代にちゃんと勉強しておけば良かったと後悔している社会人は少なくありません。近頃は猛烈な円高ですが、なぜ国力が弱っているはずの日本の通貨が買われるのでしょうか。アメリカやヨーロッパの景気が低迷しており、ドルやユーロの信用力が低下という構造的な背景がちゃんとあって、しかも3年前のリーマンショックによる国際金融危機に起因するともいわれます。
 海外旅行には絶好のチャンスということは誰でも分かりますが、では日本の景気にどのような影響を及ぼすのか、といったことまで理論立てて説明できる人はあまりいないはずです。

 けれども、そうした経済のメカニズムを知らないで、仕事や生活をすることは、簡単にいえば闇夜の道を懐中電灯なしで歩いているようなものです。社会経験を積めば積むほど、それが分かってくるので、経済学をもっと勉強しておけば良かったとなるわけですね。

 経済学は、金融系だけに必要なおカネ儲けのための実学ではなく、人間社会をおカネの動きを通して理論や法則で解明していく分野です。右肩上がりの成長期だった頃は、そんなことを気にしなくても豊かになれました。ところがバブル崩壊以降はそうはいきません。景気の長期低迷やデフレもあって、経済の大きな動きを知らなければ、損をしたり、不利益を被ることがあり得るのです。

 ですから、どんな分野でも経済学と無縁ではありません。ということは、経済学を知っているのと知らないでは、仕事のやり方や考え方、ライフスタイルも変わってくるわけですね。

 プロフェッショナルとしてのスキルももちろん大切ですが、経済学が分かれば、もっと視野が広くなり、仕事の質も高めていくことができるのです。
 むしろ、専門職の世界ほど、経済学を知らない人も多いはずなので、知識を活用していける余地が大きいといえるかもしれません。

 この経済学は、本などで勉強することもできますが、時間を都合できれば、大学の経済学関連科目を、通信教育や、科目等履修生として継続的に勉強する方法があります。経済学検定も実施されているので、これを受験して自分の知識を確認することもできます。

●どんな分野でも応用できる心理学

 次に心理学ですが、こちらも必要性を感じている人が多いのではないでしょうか。

 コンピュータや機械の発達によって、人間にしかできない仕事が明確になり、その重要度が高まってきました。たとえば経理にしても、定型的な処理はコンピュータが行い、人間は「判断」「分析」「評価」「管理」などが求められています。

 営業系はもちろんとして、ホワイトカラーや事務職の仕事は「人間相手」がほとんどといって過言ではないと思います。だからこそ、コミュニケーション能力や話し方、プレゼンテーションスキルなどに注目が集まっているのですが、その当事者である人間の心理については十分に理解されているとはいえません。

 マネジメントやマーケティングでも、人間心理は大きな要素となるはずですが、その専門家となると、まだまだ数が少ないと思います。

 何も専門家にならなくても、表情の読み方や、こういう言い方なら相手はこう反応するといった基礎的なことでも、その心理を理論立てて知っておけば、様々な仕事の中で応用していくことができるでしょう。

 こうした心理系の資格や検定については、ボクの『キャリア・チャレンジ2009−2010』(日本経済新聞出版社)で詳しく紹介しているので、興味ある人は参考にしてください。

 この分野で代表的な資格は臨床心理士ですが、その他の資格にしても、ウツ病や心身症などのメンタルヘルスが中心になっており、残念ながら今の段階ではビジネスへの応用は乏しいのが現状です。そのせいか、近年はコーチングやリーダーシップスキル、ファシリテーターといった「ソフトスキル」分野が人気を集めているらしく、一足飛びにそちらを学ぶことも有用かもしれません。

 こうした心理系の国家資格は、今の段階では医師(精神科医または心療内科医)だけです。ちなみに、医師は投薬指示ができますが、臨床心理士はカウンセラーの民間資格なので、それができません。

 その一方で、心理系の民間資格や検定はかなり幅広いので、この分野を目指す場合は、事前に内容をしっかりと確認してください。

 こちらも、経済学と同様に、大学の通信教育や科目等履修生として心理学関連科目を学ぶことができます。放送大学では、学部なら認定心理士、大学院では臨床心理士(入学倍率は高く、修了後に1年間の実務経験も必要)の資格取得を目指せます。

 そして、これが最も大切なことですが、職場にもよりますけど、経済学も心理学も、先輩たちはあまり知らない分野なのです。それを勉強する必要がなかった世代といえるでしょうか。

 だからこそ、今からでも勉強しておく価値はあるとボクは思うのです。

1954年生まれ。雑誌記者・編集者を経て、’87年に編集プロダクションとして有限会社チーム・スパイラルを設立。国内外の資格だけでなく、社会人の大学・大学院入学、インターネット遠隔学習、MBAなどの取材、執筆を行う。『キャリア・チャレンジ2009-2010』(日本経済新聞出版社)、『資格試験合格後の本』(自由国民社)、『価値ある資格厳選200』『資格の達人』『MBA入学ガイドブック』『日本で学べるアメリカ大学遠隔学習プログラム』(ダイヤモンド社)ほか、著書多数。

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